ケアマネの新類型、住宅型ホームで創設 定額報酬・1割負担で導入 厚労省提案
厚生労働省は15日の審議会(社会保障審議会・介護保険部会)で、住宅型有料老人ホームの入居者のケアマネジメントで原則1割の利用者負担を徴収する案を示した。介護費の伸びの抑制につなげる狙いがある。【Joint編集部】
居宅介護支援に利用者負担を導入するという形はとらない。住宅型ホームの入居者に特化した仕組みとして、ケアプランの作成や生活相談を担う新たなサービス類型を創設することを提案した。2027年度の制度改正・報酬改定での導入を見据え、これから具体的な制度設計の検討を深める構えだ。
新たなサービス類型の対象となるのは、今後の導入が検討されている「登録制(事前規制)」が適用される住宅型ホームの入居者。この登録制は、中重度の要介護者や医療ケアを要する高齢者らを受け入れる住宅型ホームが対象となる。
厚労省は新たなサービス類型の報酬について、現在の居宅介護支援のような出来高払いではなく、介護付きホームのような定額報酬とする案を提示。利用者負担は定率(原則1割)としてはどうかと提案した。
事業所の人員配置基準については、ケアマネジャーだけでなく生活相談員の配置を求める構想も示した。ただ、厚労省の関係者は「具体的な報酬の水準や基準のあり方は今後の検討次第」と強調。新たなサービス類型の創設が決まれば、2027年度の介護報酬改定に向けて細部を詰めていくと説明した。
厚労省は新たなサービス類型を創設する意義について、ケアマネジメントの透明性・独立性の担保や相談支援機能の強化などをあげた。既に定率の利用者負担があり、ケアマネジメントが内包されている介護付きホームとの制度的な公平性も考慮した。
業界の関係者の間では、居宅介護支援の利用者負担の導入に反対する声が大勢を占めているため、それと一線を画す意図も透けて見える。施策のスキームを峻別することで、居宅介護支援への議論の飛び火を遮る思惑が働いたとみられる。
ただ、厚労省の提案に首をかしげている関係者も少なくないのが実情だ。
この日の審議会では委員から、「低所得・低資産で住宅型ホームに入居している人もいる。配慮が必要」「いわゆる囲い込みの対策に逆行しており、むしろ助長することにつながる」「居宅介護支援事業所が“2枚看板”となれば、手続きの負担やシャドウワークが増えるのではないか」といった反対意見が噴出した。
厚労省は今後さらに調整を進め、年内に施策の方向性を固める予定。








