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2026年1月20日

訪問介護の倒産増、自治体の関係者からも危機感 審議会で基本報酬アップを求める声 2027年度改定の焦点に

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《 厚労省 》

介護報酬を議論する審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)は16日、来年度の臨時改定の内容を了承した。【Joint編集部】

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厚生労働省は6月から、処遇改善加算を拡充して幅広い介護従事者の恒久的な賃上げを図る。会合では、現場の関係者が積み残しになった課題への対応を相次いで要請した。特に、厳しい経営環境に置かれている事業者への支援を求める声が多かった。


全国市長会を代表して参加している大阪府豊中市の長内繁樹市長が口火を切った。


長内市長は、東京商工リサーチの調査結果で昨年の訪問介護事業者の倒産件数が過去最多になったことに言及。そのほとんどを小規模な事業者が占めている実態を踏まえ、「基本報酬の減額の影響を受けている」との認識を示した。


そのうえで、「基本報酬が減額されたままでは、地域のサービスを支える小規模な事業者の存続が危ぶまれることは明らか」と指摘。「2027年度の定期改定にあたっては、こうした事業者が持続的・安定的に運営できるよう適切な報酬設定を行っていただきたい」と強く要請した。

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会合ではこのほか、利用者の立場を代表する委員からも地域のサービス基盤の崩壊を危惧する声が上がった。


認知症の人と家族の会の志田信也副代表理事は、「認知症の本人や家族にとって訪問介護などは必要不可欠」と強調。「訪問介護のサービスを維持していく方策を議論するよう切に要望する。何としても本気になって解決していただきたい」と訴えた。


また、高齢社会をよくする女性の会の石田路子副理事長は、「加算、加算ではなく基本報酬が上がらなければ、多くの事業所は課題が山積したままとなる」と問題を提起。日本介護福祉士会の及川ゆりこ会長は、今後の実態調査やその検証・分析について「集合住宅に併設されている訪問介護とそうでない訪問介護を区別して整理してほしい」と促した。

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来年度の改定はあくまで「臨時」で、介護現場の窮状を踏まえた「つなぎの支援策」という意味合いが強い。経営環境が一段と厳しさを増すなか、介護従事者の賃上げだけでは救えない事業者を今後どう支えていくべきか ー 。基本報酬のあり方を含めたより総合的な対策の行方は、2027年度の定期改定に向けた来年度の議論に委ねられる。


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