過疎地の介護体制どう維持 人員配置基準の弾力化へ議論本格化 審議会で懸念の声も
厚生労働省は23日、来年度の介護報酬改定に向けた協議を進めている審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で、中山間・人口減少地域に特化した「特定地域サービス(*)」の制度づくりの議論を開始した。【Joint編集部】
* 特定地域サービス=今年の通常国会で6月に成立した改正法にもとづく新たなスキーム。中山間・人口減少地域に限って、事業所・施設の運営ルールの弾力化などを認める仕組みで、必要な介護サービス提供体制の維持につなげる狙いがある。
大きな焦点となるのが、深刻な人手不足を踏まえた人員配置基準の弾力化の行方だ。
今回、厚労省は想定される論点を提示。ICTの活用や事業所間・施設間の連携を大前提として、管理者や専門職の常勤・専従要件の緩和、兼務の拡大などを検討していく方針を示した。
また、施設の見守り機器の活用状況などを勘案しつつ、夜間の人員配置基準の緩和も俎上に載せると説明した。
このほか、人員配置基準の緩和にあたってサービスの質を担保するため、自治体の職員やケアマネジャーらの「外部の目」が入る仕組みを整備する構えもみせた。
会合では委員から、厚労省のこうした議論の方向性に理解を示す声があがった。同一敷地内での人員の合算やタスクシフトの推進など、より踏み込んだ手を打つよう促す意見も出た。
一方、サービスの質の低下など現場への悪影響を懸念する委員もいた。例えば、
●「人員配置基準の弾力化は、事業所・施設や自治体の人材確保の努力を損ねる結果を招きかねない」
●「夜間帯の緩和は、利用者の安全と職員の負担軽減の観点から慎重に対応すべき」
●「人員配置基準の緩和によって現場の負担が重くなれば、さらなる人材流出を招く悪循環を生みかねない」
●「人員配置基準の緩和は対症療法。誰もが安心して働き続けられる環境の整備と一体的に進めるべき」
といった声が噴出した。
今後、厚労省は年末に向けて具体策の検討を深めていく方針。人員配置基準の弾力化と、サービスの質の担保や職員の負担軽減などをどう両立させていくか ーー 。そのバランスが大きな焦点となりそうだ。











