2023年8月8日

【介護報酬改定】特養、高まる医療ニーズへの対応が課題 看護体制の強化や病院との連携など焦点

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《 社保審・介護給付費分科会|2023年5月撮影 》

来年4月の介護報酬改定に向けた協議を重ねている国の審議会が7日に開かれた。厚生労働省は特別養護老人ホームを取り上げ、目下の課題の1つとして「看取りを含めた医療ニーズへの対応の強化」を提起した。【Joint編集部】

昨年度の調査結果などを基に今の体制を説明。例えば、


◯ 配置医師が1人しかいない施設が約7割を占め、それも不在の時間が長い外部の嘱託医が最も多いこと


◯ 配置医師がいない時に生じた急変などの対応では、約3割の施設が「原則救急搬送」としていること


◯ 看護職員が24時間いる施設は1%ほどしかなく、夜間の看護体制は約9割がオンコール対応となっていること


などを報告した。あわせて、「急変時や看取り期などの医療ニーズに十分に応えられていない」との声が噴出していることも紹介した。


特養の入所者の要介護度は既に平均3.94(2021年度)。高齢者の急増で医療ニーズが更に高まる今後を見据え、厚労省は委員に「どのような方策が考えられるか」と投げかけた。

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大分県中津市の奥塚正典市長(大分県国保連副理事長)は、「看取り対応は今後ますます重要になる。夜間も含めて看護体制を整えたり、協力病院と密接に連携したりすることが必要。そうした取り組みを前へ進めるためにも、介護報酬上の評価の更なる充実をお願いしたい」と要請。日本看護協会の田母神裕美常任理事は、「看護職員が多い施設ほど看取りの実践も多い。オンコール対応の負担軽減の視点も重要だ。既存の『看護体制加算』に上位区分を設けるなど、体制構築への更なる評価が必要」と求めた。


日本医師会の江澤和彦常任理事は、「施設と配置医師、地域の病院が平素から顔の見える良好な関係を作れることが重要。特に特養側が声をかけやすい関係となることがポイント」と指摘。「配置医師が対応困難な場合に地域の病院がカバーする、バックアップサポート体制も必ず作る必要がある」と促した。


全国老人福祉施設協議会の古谷忠之参与は、「特養が行うべき健康管理、療養上の世話の範囲の明確化」、「配置医師と協力病院の役割の再整理」などを要請。そのうえで、「地域の医療資源の状況を踏まえ、訪問診療を含む地域の医療機関との連携強化、オンライン診療との組み合わせなど、“入所者にとってどの方法が好ましいのか”という観点から検討すべき」と提言した。


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