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2024年5月15日

ITが苦手な人も、皆で介護業務の効率化を! 身近な現場関係者からDXを学べる「Project ハタフレ」が始動

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《「Project ハタフレ」リリースパーティー|4月18日撮影 》

テクノロジーを活用して生産性を向上させていく − 。こうした機運が介護業界でかつてないほど高まっている。【Joint編集部】

やはり人材不足の深刻化がトリガーになった。そのフェーズが限界の向こう側へ移ろうとしていることが背景にある。新年度の介護報酬改定で、現場に取り組みを促すインセンティブを国が拡充した影響も大きい。


先月18日、大阪・梅田のレストランでとあるパーティーが開かれた。集まったのは大勢の介護関係者。「Project ハタフレ」の始動を記念する趣旨で、これを立ち上げたChatwork株式会社が主催した。

《「Project ハタフレ」リリースパーティー|4月18日撮影 》

「Project ハタフレ」が目指すのは、誰もが安心してDXへの一歩を踏み出せる環境を作り上げること。特に中小企業に焦点を当て、各業界の課題と正面から向き合うことを重んじている点が特徴だ。


具体的な取り組みとしては、各業界に精通する有識者や現場の知恵・ノウハウを持つ人などに「ハタフレ認定アドバイザー」を担ってもらう。周辺の事業者が「ハタフレ認定アドバイザー」から直接学べる機会の拡大を図り、業界や地域の活性化につなげていく考えだ。


高齢者の急増と現役世代の急減などで対応を迫られている医療・介護分野が第1弾。ここを出発点として、DX活性化に向けた取り組みを広く展開していくという。そのプロジェクト名には、「先導して旗を振る」「旗を振って応援する」などの意味が込められた。


「Project ハタフレ」の情報を得られるフェイスブックコミュニティはこちら

https://www.facebook.com/groups/416062131000211/

《「Project ハタフレ」リリースパーティー|4月18日撮影 》

パーティーは盛況だった。この活動に賛同する100人超の周辺事業者が出席。今の介護業界の機運を更に高めていくこと、遅れ気味の事業所も取り残さず業界全体で前へ進むこと、などの理念を共有した。参加者は名刺を交換しながら、自分の周囲で今起きていること、民間として今後できることなどをそれぞれ語り合っていた。


Chatworkの山口勝幸副社長CNOは挨拶で、「DX、業務効率化と言ってもどうすればいいか分からない − 。そんな困り事を解決できる機会を皆で大幅に増やしていきたい」と強調。「ITに詳しい人もそうでない人も、サービス種別や年齢といった属性も関係なく、あらゆる人が活躍できるようにすることが業界の発展につながる」と述べた。

《 挨拶する山口勝幸氏 》

会場には「認定アドバイザー」のうち、株式会社シャカリハの三浦浩史代表取締役、ケアマネジャーを紡ぐ会の進絵美会長、合同会社Care STEP5 LLCの五十川昌弘代表が登場。日々の現場の実践で培ってきたノウハウやネットワークを活かし、テクノロジーを有効に活かす意識を浸透させる活動に連携して取り組むとした。

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「Project ハタフレ」はこれから継続的に、「認定アドバイザー」を中心としたイベントや研修会の後押し、コンテンツの発信などに注力する方針。Chatworkの担当者は、「適切な情報収集が容易でない、できていないということも障壁の1つ。同じ業界で知見を持つ『認定アドバイザー』から、より正確で分かりやすい実務的な情報を得られれば、始め方が分からない方々も安心して最初の一歩を踏み出せるようになる。そんな活動を広げていきたい」と話す。

《 左から三浦氏、進氏、五十川氏 》

取材に応じたシャカリハの三浦代表取締役は、「今後はICTを活用しなければコストがより嵩むようになる。その影響は小規模な事業所ほど大きく、経営に打撃を与えていく」と指摘。「現場の温度感は明らかに変わってきているが、対応できる事業所とそうでない事業所の二極化も懸念される。『ハタフレ』の活動を通じて、ICTの活用に対する前向きなマインドをもっともっと広げていきたい」と意欲をみせた。


またCare STEP5 LLCの五十川氏は、「限られたマンパワーでも良いサービスを提供できるように取り組んできた。医療と介護の違いを乗り越えてより円滑に連携することも含め、次の世代が疲弊せずに働ける環境を作るべく尽力したい」と語った。


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