ケアマネ協会、資格の更新制の廃止論を検証へ 柴口会長「大変だからなくせ、というだけでは足りない」
ケアマネジャーの資格の更新制を廃止すべきという声が関係者から上がっていることを受けて、日本介護支援専門員協会はその是非を詳しく検証していく方針を示した。【Joint編集部】
26日の記者会見で柴口里則会長は、「専門職、プロとしてどうあるべきか、トータル的に考えないといけない。しっかりしたディスカッションをしていく」と説明。「単に大変だから更新制をなくせ、というだけでは足りないと思う。私達は何をすべきか、専門職としてどうあるべきか、それが一番大切ではないか」と語った。
ケアマネジャーの資格は、5年ごとに必ず法定研修を受講して更新していく決まりとなっている。厚生労働省は現在、人手不足の深刻化を踏まえて法定研修の負担軽減に向けた施策を検討中だ。
ただ、現場のケアマネジャーからは更新制そのものをなくすべきという主張も出ている。今回の衆院選でも、国民民主党が公約に更新制の廃止を明記して話題を呼んだ。当然、こうした関係者の声は職能団体の日本介護支援専門員協会にも届いている。
日本介護支援専門員協会は、ケアマネジャーの処遇改善、社会的評価の向上、専門性の追求、人材の確保・育成などを重視する立場。更新制の廃止論とどう向き合うかも、こうした目的の達成につながるかどうかで判断することになる。処遇改善の機運が後退する、社会的評価が低下する、“ケアマネ不要論”が加速する、といった事態は避けたい考えだ。
協会幹部の1人は、組織内にも廃止論をめぐって様々な意見があることを認めつつ、「まずはしっかりとした検証が必要」と強調。「廃止後の影響、研修のあり方など多くの視点から丁寧に考える必要がある。我々は更新制を断固維持したいという立場でもない。介護支援専門員にとって非常に重要な話なので、ぜひ冷静な議論を呼びかけたい」と話した。