2022年11月7日

財政審、介護の利用者負担引き上げを重ねて要請 会長代理「経過措置を入れつつ実現を」

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《 財政審・財政制度分科会 7日 》

財務省は7日、財政健全化の方策を話し合う審議会(財政制度等審議会・財政制度分科会)を開催した。今後の社会保障制度の改革を取り上げ、次の2024年度の介護保険改正も俎上に載せた。【Joint編集部】

現行で多くの高齢者が1割となっている介護サービスの利用者負担について、原則2割とすること、または2割・3割の対象者(*)を拡大することを提言。「早急に結論を得るべく検討を」と要請した。右肩上がりの介護費を抑制し、制度の持続可能性を高めていく狙いがある。


* 2割・3割の対象者
2割:「年金収入+その他の合計所得金額」が、単身世帯なら280万円以上、複数世帯なら計346万円以上のケースなど。
3割:「年金収入+その他の合計所得金額」が、単身世帯なら340万円以上、複数世帯なら計463万円以上のケースなど。


増田寛也会長代理(日本郵政取締役兼代表執行役社長)は会合後の会見で、後期高齢者医療制度の自己負担割合の基準(*)を念頭に、「介護も医療と同様の方向へ持っていくべきではないか」と発言。物価高騰なども含めた昨今の状況を踏まえ、「(利用者負担の引き上げとあわせて)経過措置を働かせることもしっかり考えていく必要がある」との見解を表明した。


* 自己負担割合の基準
75歳以上の後期高齢者医療制度では今年10月から、次の基準に該当する人の自己負担が1割から2割へ引き上げられた。「年金収入+その他の合計所得金額」が、単身世帯なら200万円以上、複数世帯なら計320万円以上のケースなど。


介護サービスの利用者負担は現在、個々の経済状況に応じて1割から3割。利用者全体の92%は1割で、2割は5%、3割は4%にとどめられている。


次の2024年度改正で、2割、3割の対象者を広げるかどうかが焦点。この日の財政審では、高齢者の急増と現役世代の急減が同時に進む今後の制度の持続可能性を懸念する声が相次ぎ、複数の委員が介護保険も後期高齢者医療制度の基準に合わせるべき(*)と主張した。政府は年内に大枠の方針を固める予定。


*【再掲】各制度の2割負担、3割負担の対象者
・介護2割
「年金収入+その他の合計所得金額」が、
単身世帯なら280万円以上、複数世帯なら計346万円以上のケースなど。
・介護3割
「年金収入+その他の合計所得金額」が、
単身世帯なら340万円以上、複数世帯なら計463万円以上のケースなど。
・後期高齢者医療制度2割
「年金収入+その他の合計所得金額」が、
単身世帯なら200万円以上、複数世帯なら計320万円以上のケースなど。


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