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2025年6月26日

障害福祉グループホーム、営利法人の参入が増加 サービスの質の担保を求める声相次ぐ=報酬改定検討チーム

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《 厚労省 》

厚生労働省は25日、障害福祉サービス報酬を議論する有識者会議(障害福祉サービス等報酬改定検討チーム)を開き、次の報酬改定に向けて現場の課題を議論した。【Joint編集部】

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委員からは、営利法人の参入が増加している共同生活援助(グループホーム)をめぐり、サービスの質の担保を図るよう求める声が相次いだ。


厚労省が会合に提示した資料によると、全国のグループホームの事業所数は昨年3月で1万3577。営利法人の事業所は、このうち38%と最も大きな割合を占めている。2021年の割合は24%だったが、それから3年で14ポイント上昇。昨年から社会福祉法人を上回る存在となっている。

◆「本当に必要な人が使いにくい」


橋本美枝委員(医療法人社団聖母会成田地域生活支援センター統括施設長)は、「近年、グループホームの開設が急増しているが、医療的ケアが必要な方や強度行動障害のある方など、支援に手間がかかる方の受け入れは進んでいない。手間がかからない方ばかりが選ばれ、困難を抱える方はトラブルや入院をきっかけに退去となるなど、本当に支援が必要な人ほど利用しにくいという実態がある」と問題を提起した。


あわせて、「グループホームは指定基準が緩く、非該当の方も利用可能であり、実際には支援が不十分でも問題にされにくいとの声も聞かれる」と述べた。

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佐藤香委員(東京大学社会科学研究所名誉教授)は、「営利法人の参入が進んでいる。設置主体によって、夜間支援の有無やサービス提供時間などに違いがあるのではないか。そうした設置主体ごとのサービスの質の違いについて、データを踏まえて検討する価値があるのではないか」と促した。


小澤温委員(長野大学社会福祉学部教授)は、「日中サービス支援型のグループホームは利用者数が増えており、重度者の割合も多い。にもかかわらず、営利法人が設置する事業所が多い。サービスの質の問題は、今後かなり詳細に検討しなければならない課題ではないか」と指摘した。


こうした意見に対し厚労省は、適切なサービスの提供に向けたガイドラインの策定を進めていると説明。「このガイドラインに基づく事業運営を求めていくなど、今後もグループホームの質の向上に取り組んでいく」と応じた。また、グループホームの設置主体によるサービスの質の違いについても、更に検証を重ねていくとした。


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