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2025年8月22日

最低賃金引き上げ、介護事業者の7割超が懸念 賃上げの原資確保が困難 年収の壁への不安も

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《 介護現場の様子 》

介護現場の関係者で組織する「介護人材政策研究会」は20日、最低賃金の大幅な引き上げに関する調査の結果を公表した。【Joint編集部】

介護事業者に受け止めを尋ねたところ、「必ずしも好ましいとは言えない(*)」との回答が72.9%に達し、多くの事業者が懸念を示した。

*「どちらとも言えない」「やや好ましくない」「好ましくない」の合計。

懸念の理由では、上位の回答として以下があがった。

◯ 賃金や保険料などの増加に十分対応できる財源を捻出できない=84.3%
◯ 介護報酬の性格上、人材市場での競争力がさらに失われる=57.4%
◯ いわゆる「年収の壁」で職員が就労を控える=49.6%

この調査は、今月6日から20日にかけてオンラインで実施されたもの。158人の介護事業者から回答を得た。


最低賃金をめぐっては、厚生労働省の審議会が今月4日、全国平均の時給で過去最大の63円引き上げる目安を答申。引き上げ後の全国平均は1118円となり、すべての都道府県で1千円を超える見通しとなっている。

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今回の調査結果では、最低賃金の引き上げにあたり必要な施策について、「介護報酬の引き上げ(97.4%)」が最も多く、「業務改善助成金などの対象拡大」「年収の壁のさらなる見直し」「賃上げ促進税制の拡充」などの声もあがっていた。


介護人材政策研究会は14日付で厚労省に要望書を提出。介護報酬の中間年改定も含め、介護事業者を下支えする施策を速やかに講じるよう求め、「十分な事業者支援策を並行して行わなければ、介護サービスの提供基盤がさらに疲弊することは明らか」と訴えた。


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