【小林広美】「次代を拓く」20周年大会 介護支援専門員の学びと交流の2日間を振り返る
日本介護支援専門員協会は、11月1日・2日に東京国際フォーラムで「20周年記念全国大会」を開催いたしました。【小林広美】
平成19年に東京都で第1回の全国大会をスタートしてからこれまで、各ブロックや県支部が主体となり、全国各地域で開催してきました。本年度の19回目は当協会が設立20周年という節目の大会でもあるため、南関東ブロックの皆様のお力をお借りしながら、東京都での開催となりました。全国各地から合計950名が集い、学びと交流を深めた2日間となりました。
開催にあたりまして、後援いただきました多くの団体の皆様、スペシャルスポンサーをはじめ出展企業の皆様にもご協力をいただきましたこと、この場を借りて御礼申し上げます。
介護保険制度の開始から25年を経て、少子高齢化や家族形態の変容、介護人材の不足、物価高騰など様々な問題に直面しているいま、私たち介護支援専門員に求められる役割も社会の変容とともに変化してきています。
地域共生社会の実現に向けて、さらには地域包括ケアシステムの深化・推進や介護保険制度の安定性・持続可能性の確保に向けて、改めて自らその専門性を発信するとともに、次世代へとつなげていくことを目指し、本年度は「時代を担って、次代を拓く~つなぎたい介護支援専門員の未来~」をテーマに掲げました。
基調講演では厚生労働省・老健局長より、介護保険制度の改正に向けた現状の課題と今後の見通しについて、具体的に解説していただきました。特別講演では、「介護支援専門員の未来につなぐ実践知」と題し、岡田進一氏(大阪公立大学大学院生活科学研究科教授)より、当協会で取り組んでいる「介護支援専門員の実践知の言語化に関する事業」について解説していただきました。
これらの講演は、私たち介護支援専門員がこれから目指すべき方向性は何かについて、各々が受け止め、考えさせられる時間となりました。
続く20周年記念フォーラムでは、秋山正子氏(認定NPO法人マギーズ東京)をお招きし、「最後まで地域で輝いて生ききるために」をテーマとして、在宅での看取りを体験したご家族のお話がありました。当事者の状態の変化や思いの変化に寄り添うご家族の葛藤、心の動きを振り返るご発言を聞きながら、チームケアの重要性と看取り期における介護支援専門員の役割について、改めて振り返るきっかけとなりました。
2日目は、「家族等への支援、仕事と介護の両立支援」「人材確保・育成」「業務の効率化とケアマネジメント」「地域共生社会」の4テーマに分かれて、分科会とポスターセッションで合計38事例の発表がありました。
それぞれの地域において、個々が取り組んでいる実践に基づいた事例・研究の発表と活発な意見交換は、多くの気づきや学びを得られるとともに、改めて日々の実践を振り返る時間にもなりました。参加者それぞれの胸に響く発表は、明日からの実践への力と励みとなるものでした。
多くの皆さんとの出会いとつながりを大切にしながら、21年目からの第1歩を改めて踏み出しました。全国大会は自己研鑽の機会であるとともに、年に1度、全国の仲間が集まり、情報交換と仲間づくりをする絶好の場でもあります。
来年度は「つながる力、広がる未来 ~仲間と共に紡ぐ物語~」をテーマとして、8月22日(土)、23日(日)に岡山県での開催を予定しています。次回の大会でも、多くの皆様と出会えることを楽しみにしております。








