介護職の処遇改善加算、生産性向上の要件を追加 ケアプラン連携システムも 厚労省 来年6月から拡充
厚生労働省は12日、来年度の介護報酬の臨時改定で6月から「処遇改善加算」を拡充する方針を固めた。【Joint編集部】
幅広い介護従事者の賃上げを進める。対象サービスを居宅介護支援や訪問看護などにも拡大するほか、既存の上位区分の加算率を引き上げる。あわせて、事業者に職場環境の改善や生産性の向上を一段と推進するよう促す。
同日に開催した審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で提案。委員から大筋で了承を得た。
厚労省は今回、従来から「処遇改善加算」の対象となっている各種のサービスについて、生産性の向上や事務の協働化に向けた一層の取り組みを求める意向を示した。
取得率が合わせて8割を超えた「加算Ⅰ」と「加算Ⅱ」を見直す。新たな取得要件を追加し、加算率の上乗せでインセンティブを大きくする。
具体的には、訪問系や通所系のサービスでは「ケアプランデータ連携システム」の導入などを、施設系や居住系のサービスでは「生産性向上推進体制加算」の取得などを求める(ともに見込みを含む)。
こうした新たな取得要件は、今年度の補正予算案に盛り込まれた賃上げの仕組みを踏襲したもの。施策をシームレスに接続し、介護現場での取り組みの継続・定着につなげていく狙いがある。
厚労省はあわせて、現場にかかる負担や準備の時間に配慮する構えもみせた。
「ケアプランデータ連携システム」の導入や「生産性向上推進体制加算」の取得などに取り組む事業所・施設を対象に、一時的な特例措置を適用する。来年度に上位区分へ移行する場合、または新規に取得する場合は、来年度中の対応を誓約することにより、キャリアパス要件や職場環境等要件の事後対応を容認する。
この日の会合では委員から、「取得要件のハードルが高く対応が難しい、と判断する事業者も出てくる。必要な支援を」「申請事務はできるだけ簡素に」といった声が上がった。今後、厚労省は詰めの調整を進める。年内に来年度の臨時改定のアウトラインを決める方針だ。








