厚生労働省は18日、障害福祉サービス報酬を話し合う有識者会議(障害福祉サービス等報酬改定検討チーム)を持ち回りで開催し、来年度の臨時改定で実施する「処遇改善加算」の拡充の具体策をまとめた。【Joint編集部】
既に処遇改善加算の対象となっているサービスについて、すべての区分の取得要件を見直す。事業者にさらなる賃上げや生産性向上などを促す観点から、取得要件の厳格化に踏み切る。今年6月から施行する。
各区分に追加(更新)される取得要件は以下の通り。直近の全産業平均の賃金水準を踏まえて基準が引き上げられるほか、事業所・施設にとってより多くの取り組みを求められる内容となっている。厚労省は施策の実効性を高めること、職員の負担を軽減してサービス提供体制の維持・確保につなげることに重きを置いた。
■ 加算Ⅰ・Ⅱに追加される取得要件
・以下のa、またはbのいずれかを満たすこと。
a)キャリアパス要件Ⅳの基準の引き上げ
経験・技能のある障害福祉人材のうち1人以上は、賃上げ後の年収を460万円以上とすること(現行は440万円以上)。
b)職場環境等要件の追加
現行の職場環境等要件に加えて、全体からさらに1つ以上取り組むこと(合計14個以上の実施)。
■ 加算Ⅲ・Ⅳに追加される取得要件
・職場環境等要件の追加
現行の職場環境等要件に加えて、全体からさらに1つ以上取り組むこと(合計8個以上の実施)。
厚労省はこうした見直しにあたり、現場の負担を考慮した経過措置を設ける考えだ。新たな取得要件を満たすには一定の時間がかかるため、来年度中の対応を誓約すれば処遇改善加算を取得できる取り扱いとし、実績報告書でその実施状況を確認する運用ルールを敷く。
※ 各サービスの処遇改善加算の新たな加算率はこちらの厚労省資料抜粋から
※ 厚労省が提示した処遇改善加算の見直しのイメージ図はこちらから
政府は昨年末、来年度の臨時改定で障害福祉サービス報酬を1.84%引き上げる方針を決めていた。
具体策の柱となる賃上げでは、これまでの福祉・介護職員だけでなく、幅広い障害福祉従事者を対象に処遇改善加算の拡充で月1万円アップを図る。あわせて、生産性向上などに取り組む事業所・施設の職員に月3000円を上乗せする。定期昇給分の6000円を含め、福祉・介護職員について合計で最大月1万9000円の賃上げが実現する措置とした。
厚労省はこの日の有識者会議で、この「上乗せ」部分の取得要件も明らかにした。加算Ⅰ・Ⅱに新たな上位区分(*)を設け、より高い加算率を設定する形をとる。
* 現行の加算Ⅰ・Ⅱがそれぞれ「イ」と「ロ」に分かれる。
新たな上位区分の取得要件は以下の通り。アとイのいずれかひとつに加え、必ずウを満たす必要がある。
ア)生産性向上の取り組み
職場環境等要件の「生産性向上」の項目を5つ以上実施すること。「⑱現場の課題の見える化」と「㉑業務支援ソフト・情報端末の導入」は必須。
イ)社会福祉連携推進法人への参加
社会福祉連携推進法人に所属していること。
ウ)職員の月給への配分
加算Ⅱロ相当の加算額の2分の1以上を月給(基本給、または毎月決まって支払う手当)の引き上げに充てること。
こうした「上乗せ」部分の取得要件についても、来年度中は誓約での対応が可能とされる。
厚労省は今後、今年6月の施行に向けて関連通知を発出するなど準備を進めていく。2027年度の報酬改定に向けては、今回の見直しの効果・課題も踏まえてさらなる施策を検討する方針だ。
※ 各サービスの処遇改善加算の新たな加算率はこちらの厚労省資料抜粋から
※ 厚労省が提示した処遇改善加算の見直しのイメージ図はこちらから









