就労継続支援の事業所の一部で不適切なサービス運営が散見されるとして、厚生労働省は是正に向けた働きかけを強めている。【Joint編集部】
24日の審議会(社会保障審議会・障害者部会)では、自治体による事業所の指定や運営指導の好事例を提示した。毅然とした姿勢で臨む自治体の取り組みを共有し、全国の自治体に指導・監督の強化を促す狙いがある。
厚労省が注力していることの1つが、不適切な「在宅支援」の是正だ。
公費による就労支援として適さない活動、就労に必要な能力の向上につながらない自習などを問題視し、今月13日に通知を発出。対面支援の原則を強調しつつ、事前のアセスメントや自治体による効果の判断を徹底すること、緊急時に対応できる体制を整備することなど、ルールの厳守を強く要請していた経緯がある。
この日の審議会では、就労継続支援B型などの事業所に対する札幌市の厳格な取り組みを好事例として紹介した。
札幌市では、障害の種別や状態像に合った在宅支援の提供を要求。本人の希望に加え、アセスメントに基づき市が具体的な効果を認める利用者のみを対象としている。
利用者へお祝い金を渡すといった利益供与の禁止についても、事業所・利用者の双方へ注意を喚起。支援の実態がない、支援の観点が乏しいなど不適切なケースについては、報酬の返還請求や指定取り消しといった行政処分の対象にすると説明している。
札幌市は「総量規制」にも踏み出している。障害福祉計画で定めるサービスの見込み量を超えているため、今年1月から事業所の新規指定を一時停止した。
既存の事業所に対しては、以下の4基準の遵守を強く要請。来年4月以降、これらを満たさない事業所は一部例外を除き、原則として指定を更新しない方針を打ち出した。
◯ 生産活動の収益から経費を控除した額を工賃として支払うこと
◯ 1ヵ月あたりの平均工賃額が3000円を下回っていないこと
◯ 工賃の水準を高めるよう努めること
◯ 工賃に自立支援給付(訓練等給付費)を充てないこと
札幌市は指定事務受託法人を活用し、運営指導の件数拡大を図るなど体制の強化も進めている。
この日の審議会では委員から、「札幌市の取り組みは非常に参考になる。一方で、就労系サービスの事業所が急増している都市部などでは、自治体の自主的な取り組みに委ねるだけでは難しい。国として一定のルールや方向性を示すことを、速やかに検討すべきではないか」といった意見が出た。
厚労省は今後、札幌市の事例なども参考に自治体の運営指導の強化を図ると見られる。より質の高い就労継続支援の提供に向けた包囲網の整備が進む。







