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2026年1月30日

【村上久美子】なぜケアマネは上乗せ賃上げの対象外なのか ケアプー導入が要件なのに評価されない理不尽

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《 UAゼンセン日本介護クラフトユニオン・村上久美子副会長 》

今年度の補正予算に続き、来年度の臨時の介護報酬改定でも介護職員の処遇改善が実施される。【村上久美子】

今回の措置では、すべての介護従事者に対して月1万円の賃上げが行われ、さらに生産性向上や協働化に取り組む事業所の介護職員には月7千円が上乗せされる。定期昇給分の2千円を含めると、最大で月1万9千円の賃上げが実現することになる。


しかし、この仕組みには大きな課題がある。訪問介護や通所介護などのサービスでは、ケアプランデータ連携システムへの加入(または加入見込み)が特例要件となり、月7千円の上乗せが認められる一方、居宅介護支援事業所は上乗せの対象外とされた。居宅介護支援については、ケアプランデータ連携システムの導入などを要件に月1万円の賃上げが認められるが、上乗せ分はない。


◆ 導入率25%、普及進まぬ実態


ケアプランデータ連携システムは、居宅介護支援事業所が導入してこそ機能する仕組みである。しかし現状、導入率は極めて低い。

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NCCUの調査では、居宅介護支援事業所(468事業所)の導入率は25.4%、訪問介護や通所介護といった在宅サービス事業所(294事業所)では35.4%にとどまる。導入している事業所では「情報のやり取りが早くなった」「書類作成が楽になった」などの効果が実感されており、便利だと回答した割合も高い。それでも約7割の居宅介護支援事業所は導入しておらず、紙やFAXによる従来の業務が続いている。


導入が進まない理由としては、「事業所内で話が進んでいない」「連携先が導入していないため意味がない」「導入にお金や手間がかかる」など、構造的な要因があげられる。つまり、導入効果は認められているにもかかわらず、意思決定や費用負担、地域の連携状況が普及を妨げているのである。


◆ 制度の整合性に疑問、インセンティブ付与を


厚生労働省は、助成金の交付や利用無料のキャンペーンなどを実施しているが、現場の実態を踏まえれば、これだけで普及が進むとは言い難い。ケアプランデータ連携システムの効果を丁寧に周知し、導入に踏み切れない事業所への支援を強化する必要がある。

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さらに、居宅介護支援事業所のケアマネジャーに対しても、導入に伴うインセンティブを付与すべきである。居宅介護支援事業所が導入しなければシステムは機能しないにもかかわらず、居宅介護支援が処遇改善で上乗せの対象外とされている現状は、制度の整合性を欠いている。


介護現場のICT化は、業務効率化や人材不足対策に不可欠である。ケアプランデータ連携システムの普及を本気で進めるのであれば、制度設計そのものが現場の実態に即したものでなければならない。


今回の臨時改定は、ケアマネジャーが十分な評価を受けられない不公平さを抱えたままであり、必要な対応の水準に達しているとは言い難い。


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