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2026年2月9日

介事連・斉藤氏、高市政権への信任は「追い風」 27年度の介護報酬改定、単年+3%程度に期待

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《 全国介護事業者連盟・斉藤正行理事長 》

8日に投開票された衆院選では、高市早苗首相が率いる自民党が歴史的な圧勝を収めた。【Joint編集部】


この結果をどう受け止めるべきか。全国介護事業者連盟の斉藤正行理事長は、「介護業界にとっては間違いなく追い風になる」との見方を示した。


その上で、今後の最大の焦点となる2027年度の報酬改定に向けて、介護従事者の更なる賃上げはもちろん、物価高騰にあえぐ事業所・施設への支援も欠かせないと主張。「単年で3%程度」のプラス改定が必要との認識を示した。インタビューの主な一問一答は以下の通り。

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◆「責任ある積極財政」が信任された


  −− まず、今回の衆院選の結果をどう見ていますか?


率直に言って、ここまでの大勝は予想していませんでした。事前の報道で与党の優勢が伝えられていたものの、国民の選択に驚いているというのが正直なところです。


今回の衆院選は、高市政権が掲げる「責任ある積極財政」を信任するかどうかが問われた選挙でした。財政規律を重視する従来の姿勢から転換し、成長のための投資を戦略的に先んじて行うというスタンスが、多くの国民から支持された結果だと受け止めています。


  −− この結果は、今後の国の介護政策にどんな影響を与えると考えますか?


私は歓迎していい結果だと捉えています。高市首相は就任以降、国民生活に欠かせない介護の分野にもしっかりと関心を持ってくれており、それは昨年末の予算編成などにも表れています。


今回の衆院選で政権基盤が盤石になったことで、今の積極財政の流れはより強固なものになるでしょう。2027年度の報酬改定に向けた議論でも、そうした政府のスタンスが間違いなく追い風になります。


  −− 足元では既に、今年度の補正予算と来年度の臨時改定が動き出しています。これらをどう評価していますか?


もちろん十分だったとは言えませんが…。介護分野にはかつてない規模の予算が投入されました。まさに「責任ある積極財政」の名にふさわしい対応だったと高く評価しています。


現場の声を汲み取り、居宅介護支援のケアマネジャーなど幅広い介護従事者を賃上げの対象にしたことも、画期的な政策転換だと言えるのではないでしょうか。

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◆ 賃上げと事業所支援を


  −− 2027年度の報酬改定に向けた課題は何でしょうか?


最大の課題は介護従事者の更なる賃上げと、物価高騰を踏まえた事業所・施設への支援です。賃上げはまだまだ足りません。全産業平均以上の水準へと早急に引き上げるべきです。


もちろん、それだけでは事業所・施設の経営は守れません。事業者からみれば、処遇改善加算は職員の賃金として右から左へ流れるお金であり、経営そのものを支える原資にはなりません。


経営を安定させ、地域のサービス提供体制の崩壊を食い止めるために、使途が限定されない基本報酬の引き上げが絶対に必要です。また、介護費のいたずらな膨張を食い止めるための適正化策、給付のメリハリをどうつけるかも課題になるでしょう。


  −− 2027年度の報酬改定に向けて、どの程度の引き上げを求めていきますか?


そうですね。少なくとも「単年で3%程度」のプラス改定が必要だと考えています。


来年度の臨時改定は、1年分で約2%(2.03%)のプラス改定という形で決着しました。2027年度の報酬改定でも、来年度と同じ規模の賃上げを維持した上で、事業所・施設への支援を上乗せする必要があります。


「それでも足りない」という声があるとすれば、それはごもっともだと思います。本来はより踏み込んだ措置が必要ですが、交渉の際には財源の確保など厳しい現実も考慮に入れなければいけません。最低でも「単年で3%程度」のプラス改定を実現しなければ、介護現場は立ち行かなくなると訴えていきたいと思います。

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◆ 報酬改定は2年に1度に


  −− 3年に1度という改定サイクルのあり方も議論を呼んでいます。


物価や賃金の変動が激しい今の経済状況を考慮すると、今の3年ごとの改定サイクルは限界に来ていると言わざるを得ません。より実態に即した機動的な対応をとるためにも、改定サイクルは2年に1度へ短縮すべきと考えます。


もちろん、行政の事務負担などを考えるとハードルは高いでしょう。ただし、政治のリーダーシップがあれば不可能な話ではありません。これから始まる社会保障の国民会議などの場で、改定サイクルの短縮も含めた本質的な議論が行われることを期待しています。


  −− 最後に、2027年度の報酬改定に向けた決意をお願いします。


高市政権のスタンスは好材料ですが、財源の確保など厳しい議論になることも予想されます。我々は引き続き、更なる賃上げの必要性や事業所・施設の窮状を訴え続けなければなりません。「責任ある積極財政」という追い風を生かし、「単年で3%程度」のプラス改定を勝ち取るべく一段と声を上げていきます。


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