介護事業所の経営実態調査、5月実施へ 訪問介護の「実像」把握が焦点 27年度報酬改定の最重要データに
厚生労働省は16日、介護報酬を話し合う審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)を開催し、事業所・施設の経営状況を把握するために来年度に行う「経営実態調査」の実施案を提示した。【Joint編集部】
会合ではこれが大筋で了承された。委員からは、地域の高齢者を支える訪問介護事業所の経営状況をより正確に把握するよう念を押す声が相次いだ。結果は今年10月頃に公表され、2027年度の介護報酬改定をめぐる議論の重要な基礎資料として使われる。
調査時期は今年5月。事業所・施設の2025年度決算のデータが集められる。焦点の一つが訪問介護で、調査の精度向上が急務となっている。
厚労省は今回、訪問介護事業所の抽出率を従来の「10分の1」から「8分の1」へ引き上げる。サンプル数を増やし、より精緻に分析できるようにする方針だ。
調査票も見直し、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームといった集合住宅への訪問回数を、一般的な戸別訪問と分けて記入する欄を設ける。また、ホームヘルパーの移動手段や移動時間について把握する項目も加えることにした。
審議会では委員から、訪問介護の運営モデルや事業所の規模などに着目した調査の実施を求める声があがった。効率的な集合住宅への訪問と、移動のコスト・負担が大きい戸別訪問とを一括りにして扱うと、小規模な事業所の厳しい経営状況がかき消されてしまう懸念が強いためだ。
「異なる運営モデルの訪問介護をまとめて調べると、収益性の低い小規模な事業所の経営状況が反映されない」「事業所間の移動コストの違いを無視した議論は、地域のインフラを壊しかねない」
意見交換では、多くの委員が小規模な事業所に配慮するよう釘を刺した。今回の調査では、こうした要請にいかに応えるかが重要な課題となる。
訪問介護をめぐっては、厚労省が2024年度の報酬改定で利益率の高さなどを根拠に基本報酬を引き下げた経緯がある。介護現場の関係者の間では、戸別訪問で地域の高齢者を支えている事業所を守るべきという意見が強い。この日の会合でも、個々の事業所の経営状況をより正確に可視化できる調査にすべきとの主張が大勢を占めた。







