2026年6月12日
デイサービスの倒産、上半期で過去最多に 目立つ零細事業者の不振 コスト増や人材難が直撃=東京商工リサーチ
東京商工リサーチは12日、介護業界の倒産の動向を明らかにする調査レポートを新たに公表した。【Joint編集部】
今年1月から5月のデイサービス事業者(通所・短期入所)の倒産は27件。6月分を計上しない段階で、早くも上半期としての過去最多を更新した。
一方で、これまで増加傾向が続いていた訪問介護事業者については、今年1月から5月の倒産が減少に転じた。

デイサービス事業者の倒産を原因別にみると、売上不振が18件、赤字累積など「既往のシワ寄せ」が5件と、業績悪化に起因するケースが全体の8割超にのぼった。
一方、職員数別では10人未満が25件と9割超を占めた。体力の乏しい零細事業者の息切れ倒産が目立つ。
背景にあるのは複合的な経営難だ。
デイサービス事業者はもともと、各地域で利用者や職員の確保をめぐる熾烈な競争にさらされていた。そこに食費、燃料費、水道光熱費などの高騰の長期化が直撃。先行する他産業の賃上げによる人材流出も追い打ちをかけた。各種加算の取り組みにも十分対応できず、限界を迎えた事業者が立ち行かなくなるケースが増えたとみられる。
東京商工リサーチは、「中東問題が長引くとさらに物価高を招きかねず、倒産が増勢をたどることが危惧される」と指摘した。
一方、今年1月から5月の訪問介護事業者の倒産は31件となり、この期間としては5年ぶりに減少した。
深刻なホームヘルパー不足など厳しい経営環境は変わらないが、零細事業者が市場からの退出を余儀なくされる淘汰の波が続いた結果、倒産件数は小康状態に入った可能性もある。政府が昨年度の補正予算、今年度の報酬改定で打ち出した賃上げなどの支援策も、経営の下支えにつながっているとみられる。








