SOMPOケア、AI議事録を全1100事業所に導入 AIケアプランやAIカメラも本格実証 「未来の介護」へ共創に本腰
SOMPOケアが“AI共創”に本腰を入れている。例えば音声認識の議事録作成ツール。今年3月時点で全1100事業所への導入を完了させた。【Joint編集部】
鷲見隆充代表取締役社長がインタビューで明らかにした。AIによる議事録作成が業務を短くする効果は、1事業所あたりおよそ月10時間。書類作成の負担を大幅に軽減し、介護職が利用者に寄り添う時間を創出する狙いがある。
「AIをはじめとするテクノロジーの活用は、単なる業務の効率化やコスト削減のためではない。人手不足に打ち克ち、その先で道徳的な人間尊重の介護を実現したい」。鷲見社長はこう強調した。
SOMPOケアはあわせて、ケアプランの原案を自動作成するAIツールの実証も進めている。初回のケアプラン作成なら1回あたり3時間ほど効率化できると見込んでおり、今年度中に介護付きホームや居宅介護支援などでの本格導入に踏み切る計画だ。
今月からは、介護付きホームなどに設置するAIカメラの実証も始める。転倒防止など利用者や家族の安心・安全につなげるほか、万が一の時に職員を守る仕組みとしても想定。事故の状況確認や記録・報告書の作成などを効率化することで、1施設あたり月7時間ほど業務を圧縮できると睨んでいる。
こうしたテクノロジーの活用や業務の標準化による成果で、SOMPOケアはすでに全国の介護付きホーム148施設で3対0.9の人員配置基準の届け出を済ませた。生産性向上による経済効果は、今年度で約15億円。取り組みを本格化する前の2022年度からみるとおよそ40億円にのぼり、これを処遇改善の原資として職員に還元している。
SOMPOケアは今後、介護現場の人手不足が一段と顕在化していくことを念頭に置いて、清掃や配膳などを担うフィジカルAIを活用する可能性も研究していく。事業所・施設の移転合築や大規模化も視野に検討を進める方針だ。
鷲見社長はインタビューで、「品質を伴う生産性向上を実現する。ただし、自社だけが生き残っても日本の介護は良くならない。私たちのモデルを他社にも広く提供・共有し、業界全体が持続可能となる環境を創り上げていきたい」と意欲をみせた。







