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2026年7月23日

【七種秀樹】災害関連死を防ぐアセスメント 新たなガイドラインが導く多職種連携とケアマネジメント

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《 日本介護支援専門員協会・七種秀樹副会長 》

日本介護支援専門員協会では、昨年度の国の調査研究事業(老人保健健康増進等事業)を通じて、災害時のケアマネジメント支援における被災者アセスメントと、他の災害支援団体や関係機関との連携促進に向けたガイドラインを作成しました。今回はこれをご紹介します。【七種秀樹】

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1. ガイドライン策定の背景と目的


東日本大震災や能登半島地震などの大規模災害において、介護支援専門員(ケアマネジャー)は被災高齢者らの状況把握やニーズ収集(被災者アセスメント)に尽力し、一定の成果を上げてきました。


しかし、様々な問題により、被災者情報の把握、またその共有と具体的な支援やサービスへつなぐプロセスには、未だ多くの課題が残されているのも事実です。


そこで、国や自治体、関係団体が緊密に連携し、南海トラフ地震などの深刻な大規模災害に備えるための指針として作成したのが、「災害初期の被災者アセスメントガイドライン」です。


当ガイドラインでは、課題の明確化と分析の方法、対策の方向性などを示しているほか、平時から災害時まで、「もしもの時」にも強い連携体制と実効性の高い活動プロセスを構築することを目指しています。


2. 災害初期の「被災者アセスメント」の重要性


災害時における保健医療福祉支援の基盤は、被災者の生活再建を伴走型で支える「災害ケースマネジメント」であり、個別支援の起点となるのは、全ての被災者の実態を把握する「被災者アセスメント」です。


災害初期のニーズ把握は、単に困りごとを聞き取る作業ではありません。環境の激変によって生じる脱水、褥瘡、認知症の悪化、廃用症候群といった潜在的なリスクを、専門的知見から早期に発見し、適切な支援につなぐために行われます。


当ガイドラインでは、特に生活機能の連鎖的低下がもたらす「災害関連死」を未然に防ぐため、「死因を追うのではなく、生活の崩れを兆候の段階で捉えて立て直す」という専門職のあり方を示しています。

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3. 多職種連携と支援調整の実践


被災者アセスメントの効果を最大化するには、多様な支援団体との迅速かつ的確な情報連携が不可欠 ーー 。当ガイドラインではこうした考え方に立って、リハビリテーションの専門チームである「JRAT(日本災害リハビリテーション支援協会)」や、福祉用具を供給する「日本福祉用具供給協会」などとの具体的な連携モデルを示しています。


また、国が示す「標準的なヒアリングシート」やデジタル機器の活用により、多職種間で情報を共通言語化し、一元的に集約・共有することで、被災者が何度も同じ質問をされるといった心理的ストレスを大幅に軽減する取り組みも紹介しています。あわせて、多職種間の情報連携で迅速かつ適切な支援につなぐ体制を整える取り組みについても記載しています。


4. 平時からの地域連携と体制整備


災害対応は、いざ発災してから何をどう進めるか検討し始めても、十分な効果を上げることはできません。


当ガイドラインでは、

● 都道府県や市区町村を中心として、地域共通のアセスメントツールを整備することの必要性

● 公式な委託・協定化を進めることで支援の受け皿となる地域資源を維持・拡充するための、事業継続計画(BCP)の策定支援

● 被災した医療・介護従事者の雇用確保・生活保障スキームを平時から準備しておくこと

など、災害に強い地域づくりの方向性を示しています。


今年度の「災害時のケアマネジメントに関する調査研究事業」では、当ガイドラインを起点にした平時の災害対策のポイント集を作成する予定です。


ぜひ当ガイドラインとポイント集を参考に、災害の発生を想定した被災者のケアマネジメント体制の構築を、皆様の地域で考えていただけましたら幸いです。


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