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2023年12月25日

【変革】居宅介護支援、ケアマネが事業所を選ぶ時代へ 人材不足と逓減制緩和で変わる構図=石山麗子

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《 国際医療福祉大学大学院・石山麗子教授 》

12月19日、来年度の介護報酬改定を議論してきた国の審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)が「審議報告」を公表しました。【石山麗子】

居宅介護支援については全部で18項目が示されました。ここでは、事業運営の根幹である事業所の人員配置に関わる「介護支援専門員1人当たりの取り扱い件数」について考えてみましょう。


2021年度の報酬改定でも逓減性の緩和はありましたが、当時は選択制、かつ基準改正も行われていません。一方で今回は、全ての居宅介護支援事業所が対象となります。


「介護支援専門員1人当たりの取り扱い件数」は、報酬と基準の2つに分けて書かれています。これは、具体的な取り扱い件数を定めるものが、告示である報酬上の取り決めと、厚生労働省令である、いわゆる運営基準の2つがあるからです。


「介護支援専門員1人当たりの取り扱い件数」は、今回の審議報告全体のどこに位置しているのでしょうか。審議報告の5本柱の3つ目、「良質な介護サービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくり」の中の「効率的なサービス提供の推進」です。


特に近年、ケアマネジャーは多岐にわたる業務を期待されるようになり、専門性も高く求められるようになっています。良質で効率的かつ効果的なサービスが提供できるよう、働きやすい職場環境になることを願ってやみません。具体的な改定事項は次の通りです。

◯ 居宅介護支援費(Ⅰ)に係る介護支援専門員1人当たりの取り扱い件数について、現行の「40未満」を「45未満」へ改める。


◯ 居宅介護支援費 (Ⅱ)の要件について、ケアプランデータ連携システムを活用し、かつ、事務職員を配置している場合に改め、取り扱い件数を現行の「45未満」から「50未満」へ改める。


◯ 居宅介護支援費の算定に当たっての取り扱い件数の算出に当たり、指定介護予防支援の提供を受ける利用者数については、3分の1を乗じて件数に加える。

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介護業界の人材不足は、介護職の不足から相談援助職の不足へと拡大しています。ですから、利用者や市民の立場からみれば、なかなかケアマネジャーが見つけられないということもあるでしょう。居宅介護支援事業所の経営者からみれば、1人でも多くの方の役に立ちながら経営を安定させ、事業の永続性を高めたいでしょう。


ケアマネジャーにとってはどうでしょうか。個々により受けとめ方は違うと思います。45件も担当できないという人もいるでしょうし、1人でも多く担当したいと思う人もいるでしょう。


しかし、たとえ担当できても今と同じ給料ではやっていけないというのが本音だと思います。担当件数と給料の納得感、ケアマネジャーのワークライフバランスは大切です。


今後は所属法人がどのような方針を打ち出すのか確認し、件数、働き方、給与などの処遇について話し合う必要がありそうです。逓減性の緩和により今まで以上に働きやすい職場を求めるケアマネジャーが増え、居宅介護支援事業所がケアマネジャーから選ばれる時代になっていくでしょう。


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