2024年4月4日

【直言】厳しい介護報酬改定、サービス内の事業者の二極化は不可避 迫られる思考の転換

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《 小濱介護経営事務所|小濱道博代表 》

新年度の介護報酬改定 − 。全体の改定率は1.59%で、前回(2021年度)の0.7%を大幅に上回ったとされている。【小濱道博】

しかし、その数字には介護職員の処遇改善加算に充てる0.98%が入っている。事業者からみた実質的な改定率は0.61%。前回を下回る結果となった。近年の物価上昇を考慮すると、実質的にはマイナス改定だと言わざるを得ない。


これにより、今後3年間の介護事業の経営環境は一段と厳しくなった。対応策としては、稼働率のアップと加算算定の促進が求められる。


また、計画書や記録の作成など事務負担の増加に対応する業務改善も必須である。ICT化は待ったなしの状況。介護報酬に依存できないことが明らかになった以上、自社努力による収益向上と事業拡大を強いられるということだ。


◆ 加算とは何か


これまで、介護事業者の間では加算の算定をあえて避ける風潮があった。その理由は、加算の算定によって利用者の自己負担が重くなること、担当のケアマネジャーに加算の少ない事業者を優先する傾向があったことなどだ。


ただこれは、介護事業の平均の収支差率が高かった過去の時代の考え方である。当時は基本報酬だけで収益を十分に確保できたため、加算を算定することは「儲け主義である」的な評価が横行していた。この傾向は、未だに一部のケアマネジャーが引きずっている。

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しかし、新年度の介護報酬改定で基本報酬の引き上げが実質的に叶わなかったことから、加算算定がより重要なテーマとなった。


そもそも加算とは、国が介護事業者に求めるハードルに報酬をつけたものだ。加算をより多く算定する事業所は、国の方針に沿ったレベルの高いところと評価される。加算を算定できない事業所は、国の求めるレベルに達していない質の低いところとみられてしまう。


どのような商品・サービスも、質の高いものは価格も高い。価格の安いものはそれなりである。介護サービスも同様であり、利用者負担は概ね1割に過ぎない。介護事業の経営では加算の算定が明暗を分ける。


報酬改定の審議では、「メリハリ」という言葉が何度も語られた。今回は“メリハリの改定”である。どこかを引き上げたらどこかを引き下げる。これがメリハリだ。今後の加算の算定次第では、同じサービスの中での事業者の二極化が拡大するだろう。

◆ 上位区分が設けられた意味


この事業者の二極化について、定期巡回・随時対応サービスの例をあげて説明したい。


このサービスは今回、基本報酬がマイナス4%弱と最大規模の引き下げとなった。1ヵ月でみると700単位前後の減収である。ここまでの規模のマイナス査定は、2015年度の小規模デイサービス以来である。


そんななか、経営を左右する「総合マネジメント体制強化加算(改定前=1000単位/月)」に上位区分が設けられた。もちろん、新たな算定要件というハードルを越えないと算定できない。その上位区分は200単位のプラス(1200単位/月)となった。


では、この200単位はどこから持ってきたのか。それは単純で、既存の1000単位を800単位に減額して付け替えたのだ。

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こうした手法は、他の加算でも多く見受けられる。定期巡回・随時対応サービスで言えば、基本報酬を700単位下げられた中であっても、上位区分を算定すればマイナスは500単位まで緩和される。しかし、上位区分を算定できなければマイナスは900単位へ拡大する。


同じサービスの中での二極化が拡大する、とはこの意味である。上位区分のハードルを越えられない場合、事業収益は大きく減少してしまう。


もはや従来の手法は通じなくなっている。「今までは」ではなく、「これからどうするか」。思考の転換が急務である。


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