厚生労働省は22日、住宅型有料老人ホームの入居者に特化した新たな相談支援のサービス類型を創設する方針を決めた。【Joint編集部】
この日の審議会(社会保障審議会・介護保険部会)に、今後の制度改正の方向性を描いた報告書案を提示。その中に構想を盛り込み、委員から大筋で了承を得た。給付費の伸びの抑制につなげる狙いがある。
新たなサービス類型の対象となるのは、事前規制の「登録制」が適用される住宅型ホームの入居者だ。この「登録制」は、厚労省が今年秋に新設を決めて具体化に向けた検討を進めている仕組み。中重度の要介護者や医療ケアを要する高齢者らを受け入れる住宅型ホームが対象となる。
新たなサービス類型は、入居者のケアプラン作成と生活相談のニーズに一体的に対応する。厚労省はその報酬について、現行の居宅介護支援のような出来高払いではなく、介護付きホームのような定額払いとする構えをみせた。
そこで一定の利用者負担を徴収する。厚労省は報告書案に、利用者負担を避ける目的で不適切な「セルフケアプランの乱用」が起きないよう、「必要な対応を検討する」と明記した。
今回の施策の主眼は、住宅型ホームのケアマネジメントに利用者負担を導入することと、不適切な「囲い込み」の是正につなげること。厚労省は介護付きホームとの制度的な公平性を確保しつつ、「使いきり」などを防いでサービス利用の適正化を図る考えだ。このほか、業界内で居宅介護支援の利用者負担の導入に反対する声が根強いため、施策のスキームを峻別する狙いもある。
厚労省は今後、新たなサービス類型の報酬や運営基準などを来年以降に審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で詰める方針。介護現場の関係者からは、「かえって囲い込みを助長することになりかねない」「ケアマネジャーの負担増を招く懸念がある」といった声も上がっており、制度設計のディテールが今後の大きな焦点となりそうだ。
実際に新たなサービス類型を創設する時期について、厚労省の関係者は「未定」と説明。「住宅型ホームの制度改革の進捗や事業者の準備期間も考慮する」と述べるにとどめた。制度改正・報酬改定が予定される2027年度当初からの施行とならない可能性もある。








