ケアマネ協会・柴口会長、居宅介護支援の自己負担導入の議論に「終止符を」 新類型は「明確に別物」
厚生労働省は昨年末、住宅型有料老人ホームの入居者に特化したケアマネジメントの新たなサービス類型を創設し、そこで定率の利用者負担を導入する方針を決めた。【Joint編集部】
一方、既存の居宅介護支援に利用者負担を導入する案は今回も見送られることになった。この動きをどう見ているか。日本介護支援専門員協会の柴口里則会長に聞いた。
柴口会長は、居宅介護支援への利用者負担の導入について「絶対反対」と改めて明言した。
これまで幾度となく繰り返されてきたこの議論に、今回で「終止符を打つべき」と主張。それは介護現場の関係者の多くが望むことだと強調した。
◆「絶対に譲れない一線」
ケアマネジメントの新たなサービス類型の創設は、居宅介護支援への利用者負担の導入をめぐる議論の末に生まれた施策。中重度の要介護者などを受け入れる住宅型ホームには、この新たなサービス類型が適用されることになる。
入居者のケアプラン作成と生活相談に一体的に対応するスキームで、介護報酬は定額払い。ケアマネジメントが内包されている介護付きホームとの制度的な均衡も考慮し、厚労省はここに定率の利用者負担を導入する方針を決めた。
柴口会長はインタビューで、この新たなサービス類型と既存の居宅介護支援は「明確に別物」と位置付けた。
介護保険制度で最も重要なことのひとつは、公正中立なケアマネジメントを誰もが等しく受けられる環境を整えておくことで、居宅介護支援への利用者負担の導入はそれを阻害すると指摘。「ここを崩してはいけない。公正中立は我々の一丁目一番地。絶対に譲れない一線で、今後も自己負担の導入を容認することはできない」と述べた。
あわせて、「居宅介護支援の利用者負担の導入をめぐる議論は、もう今回で終わらせるべき」と主張。「介護現場の多くの関係者がそれを望んでいる。居宅介護支援への飛び火、なし崩し的な議論の波及は絶対に認めない」と語気を強めた。
◆ 予断を許さない今後の展開
財務省などは長年、給付費の抑制に向けて居宅介護支援への利用者負担の導入を強く求めてきた経緯がある。
厚労省は今回、新たなサービス類型をあえて異なるスキームで創設しつつ、ここで利用者負担を徴収する道を選択。地域の高齢者を支える居宅介護支援から、施設系・居住系に近い環境にある住宅型ホームのケアマネジメントを切り離し、両者に明確な境界線を引く決断を下した。
日本介護支援専門員協会だけでなく、介護現場の関係者の間では居宅介護支援への利用者負担の導入に反対する意見が大勢を占めている。議論の終結を望む声が多数派で、新たなサービス類型に“制度改悪の防波堤”としての機能を期待する人も多い。
一方、昨年末の審議会では居宅介護支援への利用者負担の導入を引き続き検討すべきとの意見も出た。新たなサービス類型での利用者負担の導入が蟻の一穴となり、財務省などの攻勢の足がかりと化すことを懸念する声も出ており、議論が今後どう展開するか予断を許さない状況が続いている。












