2026年1月8日
訪問介護の倒産、昨年は過去最多91件 3年連続で記録更新 報酬減や競争激化が直撃
東京商工リサーチは8日、昨年の訪問介護事業者の倒産状況に関する調査レポートを新たに発表した。【Joint編集部】
倒産件数は91件で、前年から12.3%増加した。介護保険制度が始まった2000年以降で最も多く、3年連続で過去最多を更新した。基本報酬の引き下げや深刻なヘルパー不足、物価高騰に加え、競合他社との競争の激化などが重くのしかかっている。

昨年の倒産件数は、これまでの最多だった前年の81件を上回り、初めて90件台に乗った。増加に歯止めがかからない状況。先行きが見通せず、再建を目指さずに事業をたたむ「破産」を選択したケースが86件にのぼり、全体の9割超(94.5%)を占めた。
原因別では、「売上不振」が75件で全体の8割超(82.4%)にのぼる。
2024年度の介護報酬改定で基本報酬が引き下げられた影響が大きい。ヘルパーの高齢化や退職に伴う人手不足、ガソリン代などの物価高騰も経営を直撃している。
また、集合住宅を運営する大手事業者などとの競争の激化により、ヘルパーや利用者の確保が難しくなっていることも要因の一つだ。倒産した事業者の規模をみると、従業員10人未満が79件で約9割(86.8%)を占めるなど、経営体力の乏しい零細事業者が中心となっている。
政府は昨年末、来年度の臨時の介護報酬改定でヘルパーらの賃上げを行う方針を決めた。ただ東京商工リサーチは、「抜本的な改善策を見出せなければ倒産を抑制できない可能性も残る」と分析。地域の実情に合わせたきめ細かい支援の重要性を指摘している。










