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2023年5月18日

ケアマネの法定研修、法定外研修との連動も重要 資質向上へ求められる視点とは=石山麗子

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《 国際医療福祉大学大学院・石山麗子教授 》

2024年度から介護支援専門員の法定研修を見直す厚生労働省は、先月17日に新たなカリキュラムの実施要綱とガイドラインを発出しました。【石山麗子】

とかくカリキュラム内容の変更に目を奪われがちですが、実は今回の改定ではカリキュラム以外のことも求められています。それは、法定研修と法定外研修の連動という新たな構造です。


国が法定研修のカリキュラム改定で法定外研修に言及して示したのは、介護保険制度施行以来、初めてのことです。では、2024年度から始まる新たなカリキュラムの導入に向けて、どんな心構えと準備をしておいたらよいのでしょうか。


最初に、法定研修と法定外研修、それぞれの位置付けを確認しましょう。


法定研修は厚労省が発出している通りです。目新しい内容を学ぶことが第一義というよりも、特に現任者には、介護保険法の中核的存在として、介護支援専門員が全国統一的に最低限備えておくべき知識と実行できる技術を確認する場です。当たり前のことを適切に理解できているか、的確に実行できるかが重要です。


一見、法定研修は退屈に感じるかもしれませんが、日常業務が難易度の高い実践であればこそ、原則を定期的に確認することには意義があります。


また近年、地域包括ケアシステムは急速に深化して地域ごとの運用も進んでいます。


であればこそ、定期的に、全国の統一的な考え方、ベースを確認することも必要です。利用者の立場に立てば、地域の特性はありつつも、保険制度としてどの地域でケアマネジメントサービスを受けても一定の水準が保たれている、という安心感につながります。


例えば、北海道の基礎教育はAを教えているが、九州ではBだからAは知らない、といったことがあれば、介護支援専門員に対する信頼が揺らぎます。法定研修は、介護支援専門員が介護保険の中核的存在であればこそ求められています。


では、法定外研修はどうでしょうか。厚労省の研究事業でカリキュラム検討を行った会議では、その定義が次のように示されています

「法定外研修」とは、「法定研修」以外の、介護支援専門員の資質向上に向けて実施されている研修や講演会、または研究大会などを指す。なお、研修の実施主体の種別や主任更新研修の受講要件となっているか否かなどは問わない。

法定外研修に該当する研修を行っているのは、市町村の介護保険課など高齢者支援に関する部署、地域包括支援センター、職能団体が多いようです。一方で、法定研修を管理・運営する責任があるのは都道府県です。両者はお互いの研修スケジュールを共有していないことが多いようですので、今後は組織間協働が求められます。


地域の職能団体の研修企画には、参加者である介護支援専門員の方々からの声を汲み取ったテーマも多くあります。これは現場の意見を反映する大切な取り組みです。


加えて、厚労省の研究事業でカリキュラム検討を行った会議では、次のような意見もありました。


○ リクエストは少なくても学ぶべきテーマは採用すべき


○ 介護支援専門員の大半はまだ知らないが、今後必要となるテーマを設定すべき


○ 研修を委託している自治体は委託先に任せきりではなく責任をもって関与すべき


業務効率化とケアマネジメントの質向上の両立が必要なのは、日常業務だけに限った話ではありません。研修受講の時間、時期、テーマ、学ぶ順番など、地域で体系的に整理し、効果を引き出すことも含まれます。


今回のカリキュラム改定は、カリキュラムへの対応と、こうした構造的整理を協働して作っていくことを求めています。


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