

福祉医療機構(WAM)は27日、通所介護の経営状況に関する最新の調査レポートを公表した。【Joint編集部】
それによると、2023年度は全体の43.9%の事業所が赤字となっていた。前年度の49.6%からは改善したものの、なお4割を上回る深刻な状態が続いている。

レポートでは、「依然として厳しい状況であることがうかがえる。赤字事業所は費用に見合った収益を確保できていない」と指摘されている。
この調査は、WAMの融資先の通所介護事業所を対象としたもの。今回は4735事業所の2023年度決算などを分析している。
収益構造をみると、黒字事業所と赤字事業所とでは、利用率や利用者単価に大きな差がある。赤字事業所の利用率は平均63.9%で、黒字事業所の73.7%を約10ポイント下回っていた。利用者単価も赤字事業所は平均9346円と、黒字事業所の9555円より209円低かった。人件費率も赤字事業所の方が高くなっている。
このほか、開設からの経過年数による傾向も明らかにされている。特に25年以上の事業所では、サービス活動増減差額比率が0.1%と最も低く、半数以上が赤字となっていた。こうした事業所は社会福祉法人の特養併設型が多く、レポートでは「大規模修繕や建替えによる持続可能性の確保も、近い将来の課題となる。特養併設である以上、そうした再投資も容易ではない」と指摘されている。