【髙良清健】ケアマネ不要論への回答。AIには代替できない専門職の役割の真髄
近年、高齢者人口の増加や働き手の減少といった社会的背景もあり、介護支援専門員を取り巻く環境は大きく変化している。特に、ICTやAIを積極的に活用してケアプランや議事録などを作成する動きが広がってきた。【髙良清健】
また、厚生労働省が進めているケアプランデータ連携システムや介護情報基盤の整備も重要だ。要介護認定情報やレセプト情報、ケアプランなどの共有が、医療機関、介護事業所、行政といった関係者間で迅速に行われる社会が訪れることになる。
これから先、ICTやAIがさらに発達していくと、いずれ介護支援専門員は必要とされなくなるのか? 答えはNOだと私は考える。
確かに、AIを活用したケアプランは急速な広がりを見せており、今では記録作成業務などでもこれが欠かせないツールとなっている。実際、様々な業務でAIなどを使用している介護支援専門員も多くいる。
私も普段から、個人情報保護や倫理的配慮を前提としたうえで、AIを積極的に活用している。介護支援専門員が減少し、高齢者が増加する今後の社会においては、1人当たり60件〜80件程度、地域によってはそれ以上の利用者を担当しなければならないとも言われているため、ICTやAIを活用しないままでは難しくなってくることは容易に予想できる。
しかし、いくらICTやAIが発展・普及したとしても、それらはあくまで介護支援専門員が業務を行うための1つの道具にすぎないと考える。AIが様々な利用者情報を収集し、データ分析をしたケアプランを作成したとしても、それは「AIが提案する理想の計画書」にすぎない。
我々、介護支援専門員は普段から利用者や家族と向き合って面談し、利用者自身のニーズや要望を引き出したケアプランを作成する。また、利用者自身の迷いや戸惑い、本当はやりたくないなどの「本音」を聞き出すこともできる。
利用者が言葉で表現できない場合でも表情やしぐさ、態度などから総合的に判断することで、利用者と共に悩み、考え、「生活実態に合わせた人間味のあるケアプラン」を作成することができる。
人間誰しも、これまでの人生経験で得た強みや誰にも負けない得意なことがあるが、同時に人には言えないような弱みや、本当はあまりやりたくないこともある。それらをしっかりと傾聴・受容し、利用者と介護支援専門員が協力して最適な方法を見出していく作業こそが、個別プランであり介護支援専門員の醍醐味である。
急速に機械が発達していく世の中だからこそ、ゆっくりと人間と向き合う介護支援専門員の役割はますます重要になると考える。










