介護保険法の改正案、過疎地のサービス運営ルール緩和などに賛意 有識者「必要な対応」=参院厚労委
参議院の厚生労働委員会で16日、審議中の介護保険法や社会福祉法などの改正案をめぐって参考人質疑が行われた。中山間・人口減少地域が直面する課題に対応していく観点から、有識者は介護サービスの運営ルールの緩和といった施策の必要性に理解を示した。【Joint編集部】
政府は今国会へ提出した改正案に、介護ニーズの縮小や人手不足が顕著な中山間・人口減少地域を対象とする措置として、事業所の人員配置基準の柔軟化などを認める「特定地域サービス」の新設を盛り込んでいる。また、市町村が介護サービスを給付ではなく事業として実施できる新たな仕組み(特定地域居宅サービス等事業)の創設も打ち出している。
意見陳述に立った早稲田大学の菊池馨実教授は、こうした改正案の内容に理解を示した。菊池教授はこれまでに、社会保障審議会の介護保険部会、福祉部会、障害者部会の部会長を務めるなど、この分野で多くの要職を担ってきた一線の研究者だ。
菊池教授は意見陳述の中で、団塊の世代が後期高齢者となって2040年を見据えた対応が求められていると前置きしつつ、「医療と介護の複合ニーズを抱える高齢者、単身の高齢者らが増加し、多様かつ複雑な福祉ニーズが顕在化している」と説明。「とりわけ中山間・人口減少地域では既に深刻な課題となっており、地域の実情に応じたサービス提供体制の構築や人材の確保が急務」との見解を示した。
その上で、「生産年齢人口の減少が進む中、今後、介護サービスの担い手の確保はICTやAIの本格活用を図ってもなお困難をきたしていく」と指摘。資源が乏しい地域でも必要な介護サービスの基盤を維持していくために、今回の改正案の内容は「必要な対応」との認識を示した。
あわせて、介護サービスの質の維持・向上などにつなげるため「地域の実態を踏まえた丁寧な制度設計を」と呼びかけた。








