訪問介護の報酬改定、事業所の運営モデル考慮 厚労省 地域型と併設型のメリハリ検討
厚生労働省は29日、来年度の介護報酬改定に向けた協議を進めている審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で訪問介護の論点を提示した。【Joint編集部】
事業所によってサービスの運営モデルが大きく異なるなか、その立地や規模、事業形態といった個々の特性に着目して検討を進める方針を打ち出した。
厚労省の昨年度の「経営概況調査」によると、訪問介護の収支差率は9.6%。全サービス平均の4.7%を大きく上回った。
厚労省はこうしたデータを念頭に、「訪問介護の経営状況は事業所の立地、規模、事業形態によって様々」と指摘。全国平均の収支差率だけで現状を捉えず、「事業所の特性を踏まえて検討を進めることが必要」との認識を示した。
都市部と地方の環境の違いに加え、集合住宅に併設されている事業所と地域の利用者宅を一軒一軒訪ねる事業所とで、採算性が大きく異なることなどが念頭にある。
会合では、こうした厚労省の方向性に賛意を表する委員が多かった。
全国老人福祉施設協議会の小泉立志副会長は、「小規模な事業所や在宅ベースの事業所の運営は限界に達している」と問題を提起。大分県中津市の奥塚正典市長は、「全国平均の収支差率だけで判断することなく、中山間地域の特性を十分に考慮した報酬体系の検討をお願いしたい」と呼びかけた。
一方、集合住宅に併設されている事業所の介護報酬の適正化を求める委員もいた。
健康保険組合連合会の伊藤悦郎常務理事が「適正化・重点化の観点からメリハリを」と訴えたほか、全国健康保険協会の鳥潟美夏子理事は「集合住宅への訪問の手間などを踏まえ、公平な評価のあり方を検討していくべき」と踏み込んだ。
また、日本介護支援専門員協会の濵田和則副会長は、既存の同一建物減算を回避する運営モデルの「精査が必要」と促した。今後、地域の利用者宅を回ってサービス基盤を支えている事業所への支援策と併せて、集合住宅に併設されている事業所へのメスがどこまで入るかも焦点となりそうだ。






