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2026年6月11日

【天野尊明】登録施設介護支援は「低単価」か 国会審議から浮かぶ報酬改定の行方

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《 介護人材政策研究会・天野尊明代表理事 》

報じられている通り、今国会で審議されている「社会福祉法等の一部を改正する法律案」は衆議院を通過し、参議院での審議が始まりました。【天野尊明】

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◆ 昨年末から敷かれていたレール


この法案には、衆議院・厚生労働委員会により27項目にも及ぶ附帯決議が付されていますが、これは読み上げだけで実に20分以上かかるという長大なもので、審議が白熱したことが窺えます。


この法案では、多岐にわたる内容の中で、ご存知の通り住宅型有料老人ホームへの登録制(事前規制)の導入、それに伴う「登録施設介護支援」の創設についても扱われています。これに関して、附帯決議では興味深い文言が添えられています。

「登録対象ホームの入居者に係る介護報酬上の取り扱いについては、集合住宅向け訪問介護等と地域訪問型サービスとの評価のあり方について、過剰サービスの誘発を防止する観点から精査すること」

言ってみれば、囲い込みが起きないように、集合住宅向けと一般住宅向けで介護報酬の評価を分けることを考えなさい、という書きぶりです。


さて、ここで、当方のコラムでは何度か登場している昨年末の財務相と厚労相による「大臣折衝事項」で、来年度の介護報酬改定がどう記載されていたかを思い出していただきたい。

「有料老人ホームに関する制度改正の内容も踏まえつつ、サービスの提供形態に応じた評価のあり方について所要の措置を講じることを検討する」

しっかりと、「サービスの提供形態(集合住宅向けか一般住宅向けか)」で「評価のあり方」を考えると書いてあったわけで、そのボールを今回の附帯決議で受け取った形になりました。


この附帯決議に対し、上野賢一郎厚労相は衆議院・厚労委で「その趣旨を十分尊重して努力してまいります」と答えています。


法案がこの条件付きで衆議院を通り、やがて参議院も通過する見込みであるわけですから、前述の「介護報酬上の取り扱い」に係る「精査」は、来年度の介護報酬改定に向けた議論において前提条件、既成事実として貼り付けられることになります。


これにより、多くの方が予想しているように、少なくとも「登録施設介護支援」の報酬単価については、一般の居宅介護支援費よりも低い設定になることが、ほぼ確実となったと考えられるでしょう。

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◆「特定地域サービス」も焦点


さて、その来年度の介護報酬改定に向けた議論は、いよいよ序盤戦が開始されたところです。厚労省は4月27日の審議会で、「今後の検討の進め方」を提示しています。その中では、各サービスの論点とあわせて、以下の4つの横断的なテーマを念頭に置くとしています。

(1)人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築
(2)地域包括ケアシステムの深化
(3)介護人材確保に向けた処遇改善等と職場環境改善やケアの質の向上に向けた生産性向上等
(4)制度の安定性・持続可能性を確保する報酬のあり方

これも非常に興味深く、(2)から(4)までは定番ですが、(1)がトップに据えられていることが斬新です。


同じく今回の法案で取り扱われている「特定地域サービス」について、前述の附帯決議で「移動時間等に係るコストや人材確保に必要な賃金水準等を踏まえ、事業継続が可能となる報酬体系のあり方」を検討することが求められており、そのあたりの整理が大きな論点になることが当然に予想されます。


特に、中山間・人口減少地域においては、現状の介護報酬やその仕組みでは事業が成り立たないケースが出ていることは周知の通りです。新たなサービスが現実的な内容で実装され、「サービスゼロ地域」を回避する制度上の措置が実現することを強く期待します。


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