【鎌田大啓】介護人材の定着が進む今こそ「選ばれ、働き続けたいチーム」を! 若者らの更なる定着と新たな仲間が加わる職場へ
人材難が深刻化するなか、介護業界にとって、とてもうれしいニュースが飛び込んできました。【鎌田大啓】
最新の「介護労働実態調査」によると、昨年度の介護職員の離職率は12.4%。過去最低の水準を維持し、全産業平均の14.2%も下回っています。
2005年度には20.2%だった離職率がここまで下がってきたのは、現場のみなさんが積み重ねてきた処遇改善や職場環境づくりが、着実に実を結んできた証だと思います。
◆ まだ、事業所ごとの差はある
一方で、すべての事業所で職員の定着が進んでいるわけではありません。離職率が20%以上の事業所は23.9%あり、まだまだ差が大きいのが実情です。
特に29歳以下の離職率は17.3%と高く、離職者の6割以上が勤続3年未満という結果もあります。入職後、比較的経験が浅い職員をどうチームで支えていけるかは、これからも重要なテーマです。
◆ 何が職員の定着に役立っているのか
最新の調査では、職員の定着に役立つ事業所の取り組みとして、次のような結果が出ています。
● 休暇や勤務変更のしやすさ:42.0%
● 良好な人間関係:37.1%
● 円滑なコミュニケーション:27.0%
柔軟な働き方を支える制度も大切ですが、それだけでは足りません。職員同士が「お互いさま」で支え合えるチームづくりがあってこそ、その制度は本当の意味で活きてきます。
そしてこのことは、職員の離職理由からも裏付けられます。
離職理由の第1位は「人間関係(27.3%)」でした。人間関係は、定着を支える一番の土台であると同時に、うまくいかなければチーム全体を大きく揺るがしてしまうものでもあるのです。
だからこそ、まずは「チームがうまく機能できていない状態」から目をそらさず、直視することが大切です。そこから、職員の定着をさらに前へ進めることにつながります。
◆ 良い人間関係は入職の決め手にもなる
こうして育まれた良い人間関係は、既にいる職員の定着を支えるだけでなく、新しく入ってくる仲間を呼び込む力にもなります。
就職理由をみると、「職場の人間関係がよさそうだった」との回答は35.1%。勤続1年未満に限ると41.7%にのぼります。さらに、就職経路では「友人・知人からの紹介」が第1位となっています。
つまり、職場の中にある良い雰囲気は、そこで働く人自身の口コミとなって外へ伝わり、次の仲間を自然と連れてきてくれるのです。
介護は、ひとりで完結する仕事ではなく、チームで支え合う仕事です。だからこそ、定着のために積み重ねてきたチームづくりの一つひとつが、そのまま「選ばれる職場」になるための土台にもなっていくのです。
定着と入職は切り離されたテーマではなく、同じ土台の上でつながっているのです。
◆ まずは、一歩から
こうした職場づくりは、介護現場の生産性向上の取り組みとも深くつながっています。
現場の業務や役割を見える化し、職員同士で対話しながら仕事の進め方を見直し、業務の負担や無駄を減らすことで生まれた余力を、職員同士が支え合う時間や、利用者と向き合う時間に使っていく。
このプロセスそのものが、良いチームを育て、職員の働きやすさと働きがいを高め、職員のさらなる定着や新たな仲間を呼び込むことへつながっていきます。
まずはできるところから、小さく一歩を踏み出していきましょう。









