

厚生労働省が4日に公表した人口動態統計(年計概数)で、昨年の出生数と合計特殊出生率がいずれも過去最低を更新したことが明らかになった。【Joint編集部】
昨年1年間に生まれた日本人の赤ちゃんは、前年より4万1227人少ない68万6061人。9年連続の減少となり、初めて70万人を下回る過去最少を記録した。
昨年の合計特殊出生率は、前年より0.05ポイント低い1.15。こちらも9年連続の低下、過去最低となった。
止まらない少子化が日本経済に与えるインパクトは極めて大きい。高齢者人口が増え続けていくなか、医療・介護など社会保障制度の持続可能性に配慮した施策を求める声もさらに強まりそうだ。
少子化の背景には、若年人口の減少や晩婚化・晩産化、価値観の変容など複合的な事情があるとみられている。厚労省は、「急速な少子化に歯止めがかかっていない危機的な状況。個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が複雑に絡み合っている」と説明し、引き続き子ども・子育て支援策などの充実を図るべきとの認識を示している。
このほか、昨年の死亡数は160万5298人で過去最多を更新。4年連続の増加となった。死亡数から出生数を差し引いた人口の自然減は91万9237人にのぼり、過去最大を更新した。