厚生労働省は10日の審議会(社会保障審議会・障害者部会)で、障害福祉サービスの提供にあたっての「意思決定支援ガイドライン」の改訂案(第2版案)を提示した。2017年の策定以来、およそ9年ぶりの見直しとなる。【Joint編集部】
改訂の契機の1つになったのは、国連の「障害者権利委員会」が2022年に出した総括所見だ。従来のガイドラインで使われていた「本人の最善の利益」という表現に対し、支援者が本人に代わって不適切な判断を下す代行決定につながる恐れがあるとの懸念が示されていた。
厚労省はこれを踏まえ、今回の改訂案で「本人の最善の利益」に関する記載を削除。国連が提唱する「意思と選好に基づく最善の解釈」という概念に基づき、本人主体の理念を明示しながら意思決定支援を再定義した。
また、どのような障害があっても「本人に意思決定の能力があること」を前提とする姿勢を掲げたほか、意思決定支援のプロセスを「意思形成」「意思表明」「意思実現」の3段階で明確化した。障害特性に応じた合理的配慮や情報アクセシビリティ、ICTツールの活用に関する記載も新たに盛り込んだ。
会合では委員から、ガイドラインの表現の平易化・精緻化や研修を通じた現場への浸透などを求める声が相次いだ。厚労省は今後、委員の意見を踏まえてガイドラインの内容、正式発出に向けた進め方などをさらに検討する意向を示した。










