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2026年8月4日

【結城康博】介護・福祉職員の退職金共済を守れ! 公費投入で制度の安定化と人材の確保・定着を

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《 淑徳大学総合福祉学部 結城康博教授 》

介護や障害福祉、保育などを担う社会福祉法人の職員の退職金制度(退職手当共済制度)が揺らいでいる。【結城康博】

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今後、2040年にかけて退職者数がピーク期に入って支給額が膨らむため、このままだと法人が支払う掛金の大幅な増加が避けられない情勢だ。このため、厚労省は検討会で制度の見直しに向けた話し合いを進めており、今秋にも取りまとめを行う構えをみせている


◆「自己努力」だけでは及ばぬ限界


この退職金制度は大切で、極めて意義の大きいものだ。福祉の現場を守る職員の将来の支えであり、貴重な人材の確保・定着や安定的なサービスの提供につながっている。厚労省のデータでも、加入している法人の職員の離職率が相対的に低く留まっているなど、そのプラスの効果が示されている。


なにより重要なのは、制度を引き続き守っていくことにほかならない。退職金の水準の大幅な引き下げは避けるべきで、厚労省もそのことは十分に理解しているようだ。だからこそ、法人の掛金の増加が課題として真っ先に上がってくるわけだが、これはこれで経営上の大きな問題となるだろう。


確かに、法人の一定の努力も必要だ。例えば、


● 多少の掛金の引き上げを行う
● 勤続3年未満、もしくは5年未満の職員を支給対象外とする(現行は勤続1年以上から支給対象)


などの見直しは検討されるべきだろう。しかし私は、これらを実施したとしても公費の投入が避けられないと考える。

NTTデータ記事

もちろん、株式会社など民間企業との均衡、イコールフッティングの観点は考慮すべきだが、社会福祉法人はその機能が異なる。地域の福祉、非採算部門を担う中心的な存在で、準公共性の側面を持ったサービス提供主体だ。処遇困難ケースなどを積極的に受け入れる役割もある。


例えば、介護報酬などの公定価格を主な収入源としている法人の場合、大幅に増える退職金制度の掛金の原資は生み出せない。物価高や人材難などで、どの法人も経営環境はより厳しくなっている。掛金の大幅な増加は現実的でなく、断行すれば法人を窮地に追い込む本末転倒の事態となりかねない。


とはいえ、退職金の水準の大幅な引き下げは論外だ。既に深刻な人材不足を加速させる悪手となる。社会福祉法人の人材の確保・定着、経営の安定化、そして地域の福祉を支える体制の維持・強化のために、退職金制度に公費を投入してその安定的な運営を支えるべきだ。


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