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2026年7月6日

【柴口里則】ケアマネ殺害の悲劇を繰り返さないために すべての専門職を守る包括的な安全対策の検討を

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《 日本介護支援専門員協会・柴口里則会長 》

6月1日、埼玉県川口市で利用者宅を訪問したケアマネジャーが殺害される極めて痛ましい事件が発生しました。お亡くなりになられた方に深く哀悼の意を表しますとともに、ご遺族や関係者の方々に心よりお悔やみを申し上げます。【柴口里則】

専門職の善意を踏みにじる行為は決して許されません。私たちはこの悲劇に決して屈することなく、これからも高齢者らの生活の安寧のために邁進してまいります。


日本介護支援専門員協会では事件翌日に声明を出しましたが、厚生労働省も翌々日に安全確保の徹底を事業者らに呼びかける通知を発出しました。国の速やかな対応は評価すべきものです。


一部で「現場への丸投げ」といった批判の声も出ているようですが、事業者にはやはり職員を守れる環境づくりに努める責務があります。国の施策とはまた別の次元で、それぞれができる範囲で取り組みを徹底する必要があるでしょう。


◆ 同行訪問の加算、新設検討を


厚労省は通知で、既存の予算事業を活用して複数名の同行訪問にかかる経費を補助する支援策を示しました。これはありがたい措置ですが、自治体ごとに対応が異なってくる、実効性が必ずしも十分でないといった課題があることも否めません。今後は短期、中長期の視点の双方から、全国のケアマネジャーを守る体制をしっかり整えていくための議論が必要だと考えます。


有力な具体策のひとつが、やはり介護報酬による対応でしょう。


例えば、訪問介護や訪問看護には複数名の同行訪問を評価する加算が用意されています。同様の仕組みを居宅介護支援にも導入する方向で、具体的な検討を進めるべき時期が来たのではないでしょうか。利用者・家族の同意書の取得は困難なケースもあるため、緊迫した状況では省略できるなど柔軟な運用も考えていくべきです。


月々のモニタリングに関するルールの弾力化も一案です。ケアマネジャーが危険に晒される恐れがある場合は、事業所の判断で一時的に訪問を見送っても運営基準減算を直ちに適用しないなど、差し迫った状況への配慮も必要になるでしょう。

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何より大切なのは、様々な視点を考慮に入れて物事を総合的に考えることです。同行訪問の支援、モニタリングの弾力化といった個々の施策はもちろん、それらを結び合わせた包括的な安全環境の構築を目指すべきではないでしょうか。利用者宅を訪問するすべての専門職が抱えるリスク全体を捉え、トータル的な防衛網を敷かなければ現場の不安は拭えません。


今年10月からは、カスタマーハラスメントの防止に向けた雇用管理上必要な措置がすべての事業者に義務付けられます。国や自治体はもちろん、事業者にももっとできることがあるはずです。来年度の介護報酬改定を見据え、さらには中長期的に進めるべき取り組み、一段と力を入れるべき活動も構想しながら、私たちはこれから国と実効性のある具体的な検討を突き詰めていく覚悟です。


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