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2026年10月28日

【壷内令子】居宅介護支援は二極化へ向かうか 管理者要件の緩和などで変わる経営戦略

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《 株式会社ウェルネス香川・壷内令子代表取締役 》

来年度の介護報酬改定に向けた協議を進めている審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で、10月19日に居宅介護支援の見直しの方向性が示されました。【壷内令子】

今回、特に注目すべきは、


● 特定事業所加算Ⅰの重度者要件の撤廃
● 管理者要件の主任ケアマネジャーの撤廃


です。この2つの緩和は、今後の事業所の経営戦略に大きな変化をもたらすのではないでしょうか。


◆ 2つの緩和が促す大規模化と新規開設


特定事業所加算Ⅰの「要介護3以上の利用者の割合が40%以上」という要件の撤廃は、以前からその必要性が繰り返し指摘されていました。予想された見直しと言っていいでしょう。


地域の利用者を幅広く受け入れ、事業所の規模を拡大するほど重度者の割合を満たしにくくなるという、これまでの矛盾が解消されることになります。経営へのインパクトも非常に大きいです。


この緩和によって、特定事業所加算Ⅱ・Ⅲなどを取得している事業所が、人員体制を充実させて加算Ⅰへの移行を目指す動きが出てくるでしょう。


事業所の大規模化は、経営の安定化だけでなく、組織的な人材育成や研修体制の充実、困難事例への複数名での対応、安全管理など、ケアマネジメントの質を支える体制づくりにもつながります。


まさに歓迎すべき流れであり、事業者にとっては主任ケアマネジャーの確保や適切なマネジメントなどが引き続き課題となるでしょう。


管理者要件の主任ケアマネジャーの撤廃も、同じく非常にインパクトが大きいと言えます。これが実現すれば、主任ケアマネジャーを確保できないことで事業所の立ち上げを進められなかった事業者らにとって、新規参入や追加開設のハードルが下がることになります。


そうなると、既存の事業所では大規模化が進んでいく一方で、関連法人が運営する介護サービス事業所を持つ少人数の居宅介護支援事業所が、新たに増えることも考えられます。


つまり、事業者の経営戦略は大きく分かれ、


● 特定事業所加算の上位区分を取って独立した経営基盤を持つ大規模事業所
● 関連法人の介護サービスと一体的に運営される小規模事業所


という二極化が進むと考えられます。居宅介護支援だけで収益を確保するのか、それとも複数の介護サービスを持つ法人全体で経営を考えるのか。これによって目指す姿が異なってくるでしょう。

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◆ 地域の実情を踏まえ、どのような経営を目指すか


ただし、都市部と地方では事情が大きく異なります。


都市部では、今後も高齢者人口の増加、介護ニーズの拡大が見込まれる地域が多く、大規模化と新規開設の双方が進むと考えられます。


一方、市場規模が限られる地方では、ケアマネジャーの高齢化、確保の難しさなどもあって、事業所の統合や集約による大規模化が進むことも想定されます。また、人口減少が著しい過疎地などでは事業の存続自体が難しく、また別の対策が必要になるでしょう。


地方で居宅介護支援を経営する私の立場では、同じ報酬改定の内容であっても、地域の実情によって事業所の経営戦略や将来像が大きく違ってくると強く感じています。


また、多くの方が指摘されている通り、経営や労務管理、運営基準などを理解して事業所を適切に運営する能力と、質の高いケアマネジメントを実践する能力は、少し種類の異なるものです。要件が緩和されても、管理者を担う人材の確保・育成は引き続き事業者にとって主要な課題となるでしょう。


事業所の大規模化と新規開設の促進。今後はこの2つの動きを軸に、事業者の経営戦略が分かれていくことになるでしょう。こうした動向が、地域のケアマネジメント提供体制にも変化をもたらすと考えます。


もちろん、問われるのは経営の安定化だけではありません。それぞれの地域の実情に応じて、質の高いケアマネジメントを安定的かつ継続的に実践できる基盤・体制をいかに築いていくか。これを実現するために、私は今後進むべき道を考えていきたいと思います。


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