来年度の介護報酬改定に向けた議論が佳境に入っています。私が注目している論点のひとつが、居宅介護支援の「特定事業所医療介護連携加算」の見直しです。医療との連携を担う現場の実態に即した評価となることを期待しています。【壷内令子】
現在、この加算を算定するためには、
●「退院・退所加算」の算定に係る医療機関との連携回数が年間35回以上
●「ターミナルケアマネジメント加算」の算定が年間15回以上
などの要件を満たさなければいけません。特に小規模な事業所にとっては、非常に高いハードルと言えるでしょう。
厚生労働省も10月19日の審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で、「小規模な事業所では回数の要件を満たすことが困難」と課題を提起しました。
来年度改定で要件が緩和されれば、これまで対応が難しかった事業所にも取得の可能性が広がり、継続的な収益の確保や経営の安定につながります。事業所にとっては、利用者の退院・退所や看取りに関する支援の実績を、組織全体で積み重ねられる体制を作ることが重要となるでしょう。
加算の取得を通じて、医療と介護の連携に積極的に取り組む事業所が増え、利用者への支援の充実につながることも期待されます。
◆ 地方の医療資源の制約も踏まえて
中でも特に期待しているのが、ターミナルケアマネジメント加算の見直しです。
私は香川県で仕事をしていますが、地方では訪問診療や訪問看護などの医療資源が限られており、在宅での看取り自体が難しい地域も少なくありません。訪問診療を担う医師や24時間対応の訪問看護などがそもそもなければ、ケアマネジャーがいくら頑張っても要件を満たすことはできません。
また、自宅で何とか療養を支えてきても、最終的には利用者が入院し、病院で亡くなるケースも多々あります。本人や家族に寄り添い、医療機関や介護サービス事業者との連携を重ねてきても、訪問日数や死亡場所・時期などの厳格な要件によって、どうしても加算を算定できないことがあるのです。
厚労省も10月19日の審議会で、ターミナルケアマネジメントを行っても加算を算定できないケースがある、という認識を示しました。的を得た問題意識だと感じます。
具体的な見直しの中身は今後の議論となりますが、現場のケアマネジャーの支援を適切に評価する仕組みを、ぜひ考えてほしいと思います。
◆ 初期段階の連携にも目を向けて
高齢者の人生の最終段階を支えるうえでは、在宅療養を始めるタイミングでの調整も非常に重要です。
例えば、限られた時間の中で自宅へ戻ることになれば、急いでケアプランを作成し、医療と介護の関係者が連携して支える体制を整えなければなりません。こうした看取りの初期段階に、ケアマネジャーが大きな役割を果たしているのが実情です。
最期を迎えた場所や時間、訪問日数の要件だけでは、こうした働きを十分に捉えることはできません。
私は来年度改定で、高齢者の人生の最終段階において、ケアマネジャーが実際に行った支援や他職種との連携を、より適切に評価する仕組みができることを期待しています。地域の実情を踏まえ、本人や家族に寄り添う実践が十分な報酬につながる見直しこそが、いま求められることではないでしょうか。










